雑記:『GO』金城一紀 を読んだ
2023-01-31
以下、雑多かつ、まとまりのない感想です。
すごいものを読んだ、と思った。
在日の韓国人あるいは朝鮮人みたいな題材が出てくるみたいなことは知っていて、そのせいで俺はこの本を開くのを少しためらっていた。別に反韓意識みたいなものがあるとかではないが、俺はなんだかあらゆる民族的な問題に辟易していて、できれば触れたくないというような気分を抱いていた。小説も、洒落た表現や美しい描写で心を揺さぶられたいといった動機で読み楽しんでいたから、そういう問題が言わば”混入”してくることで俺の楽しみが乱されるようなことがあってほしくないと思っていたのである。
しかしそんなものはまったくの杞憂であった。思うことはたくさんあるのに、うまく感情を言葉にできないのが悔しい。俺はこの本をこの先何度も読み返すんだろうな。
「どうしてこれまで黙ってたの?たいしたことじゃないと思ってたら、話せたはずじゃない」
通学中の電車で読んでいて、ホテルで桜井と別れた章を読み終えたところで電車を降りた。そのとき自分の心は凄まじく揺れていて、こんな経験をしたら俺は立ち直れるのだろうかと思った。
学校についてから読み終えた。
おまえら、俺が恐いんだろ?何かに分類して、名前をつけなきゃ安心できないんだろ?でも、俺は認めねえぞ。俺はな、《ライオン》みたいなもんなんだよ。《ライオン》は自分のことを《ライオン》だなんて思ってねえんだ。おまえらが勝手に名前をつけて、《ライオン》のことを知った気になってるだけなんだ。それで調子に乗って、名前を呼びながら近づいてきてみろよ、おまえらの頸動脈に飛びついて、噛み殺してやるからな。分かってんのかよ、お前ら、俺を《在日》って呼び続ける限り、いつまでも噛み殺される側なんだぞ。悔しくねえのかよ。